フリーアニメーター 田舎暮らし 

田舎で暮らすフリーアニメーターの日々を気ままに綴っています。

分母は増やしたいが

会社を出てフリーランスで働くようになって2年半がたった。
ほどほどに実力を認めてもらえるようになり、それなりに自分に自信が持てるようになってきた。

 

取引先の嬉しい評価のせいもあって、当初に比べ、仕事が無い時期に対する焦りがなくなってきた。

仕事がない=収入がない という完全出来高の世界でこの思考はとてもまずい。
将来を視野に入れて収入の半分は貯金しているものの、分母が小さいので大した額にならない。

大した額でない収入で、半分も貯金できているのが田舎のすごいところ。 
もともと生活費に対して割りとシビアで(切り詰めているつもりはない)、それなりの楽しい節約生活はしているけど。

 

とはいえ貯金額が低いことには変わりない。
30万の半分と、10万の半分じゃ全然意味が違ってくる。          
ベタだか庭付き&店舗付き一戸建てを買うという目標には遠い道のりだ。

会社をやめた大きな理由は、多趣味でアニメ一本の人生にしたくないということ。


高校・大学と芸術系を志してきたというのもあり、創作全般に興味がある自分が、たまたま縁あって(コネなどではない)選んだアニメの世界だけに留まるのは何か違うと思っていた。

勿論ほかにも大きい理由はあるが、ざっくり言うと他に色々やりたくて辞めた会社。そんな自分が色々やらないなら何で辞めたんだ!ということで、アニメーターとしての仕事口がある程度決まった段階で決意したことがある。

 

 

アニメ以外での収入を得ること。

 

 

幼い頃の将来の夢はなんでも屋。
なんでもかんでも屋ではなく、好きなものをなんでも屋。
この歳になって子どもの頃の夢を追いかけることになろうとは。
いやいや、世の中若くして企業する人間は大体20後~35歳とどっかで聞いた。若くしてってことは、普通はもっと遅いわけで、早い方がいいかもしれないにしろ、そもそも企業とは全く違うにしろ、全然遅すぎるということはない。

ともかく色々やって、最終的に作画での収入と半々くらいという内訳を目指したい。
分母を増やしたい気持ちも大きいが、自分の場合、手っ取り早く作画浸けの日々を送っていては意味がないということだ。

 

現在は、ケチが転じて生まれた趣味の手芸と、前々から興味があった画塾講師の仕事で副収入を得ている。

前者は小さな店での委託販売で本当にちまちまとした収入。
それでも世の中にハンドメイドブームの波?があるのか、感触としては悪くない。

後者は定年後の人が集まるカルチャースクール的なやつで、3ヶ月分まとめてそこそこの収入がある。講師以外の手続きやら会場手配やらの面倒は大体スクール側がやってくれる代わりに、当然自分一人でやるよりは割安な講師代。
それでも決まった金額が手に入り、かつ生徒集めなど宣伝は肩代わりしてくれるので、顔の狭い人間でも教室内容によっては人を集められるのがいいところ。

 

今年一年は作画の仕事をほどほどにして、他のやりたいこととの釣り合いをとりながらバランスを探っていく。
上半期を終えようとしている今、まずまずといったところ。

 

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1月~6月収入まとめ
作画 458,000(6ヵ月)
創作 52,866(5ヵ月)
講師 90,000(3ヵ月)

計 ¥600,866
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まともな社会人には絶句されるかもしれない。
勿論毎日しっかり働いているアニメーターはもっと稼いでいる(と思う)。

仕事を依頼する側の制作進行さんからしたら、そんな作画に没頭するような人の方が理想的だろうけど。
ここは誰のために、何のために仕事してるのかっていうことを忘れないで、情に流されずにいきたい。

 

そして注目したいのが講師の割りの良さである。週2回、各2時間の計4時間勤務でこれである。
もちろんそのための準備やらでプライベートを削ることはあるが、それにしてもおいしい。
何より自分が今まで培った技術を無駄にせず誰かに伝えられ、喜ばれるのがとても励みになる。

 

かといって講師専門になるかと言われればそれはまた別の話。