フリーアニメーター 田舎暮らし 

田舎で暮らすフリーアニメーターの日々を気ままに綴っています。

お久しぶりです

先日、ふとこのブログの存在を思い出しなんとなくログインしてみました。

まったく稼働していないこんなブログでも見に来てくださる方がゼロではないのだと知り、また気ままに日々を綴ろうと思います。

 

最終更新の2019年4月から4年以上の歳月が流れました。

ここ数年で起きた自身の変化を簡単に記しておこうと思います。

 

生活面

・引っ越しをしました。

・中古の一軒家を買いました。

・リフォームをしました。

 

仕事面

作監に携わりました。

・拘束で仕事を続けています。

・作画以外の自営業を始めました。

 

趣味

・コスプレに目覚めました。

・イラストは全然描かなくなりました。

・原神にハマりました。

 

箇条書きにすると人一人の人生の数年はほんの簡単な数行に収まってしまうものですね。

ひとつひとつ話題としてピックアップすればそれは膨大な記事になりそうですが、それをまとめ上げるとなると一生投稿できそうにありません。

また気が向いたときに少しずつ詳しく記していこうと思います。

 

拘束

春です。田舎で暮らすフリーアニメーターのブログ、いなめーたーブログ久々の更新です。

毎度のことながら、筆が遅く、かつ考えを纏めるのに時間がかかります。余計なことをつらつら描きたがるんでしょうね、脱線の常習犯です。

 

今回は年末から3月までの間に受けた拘束について記事にしようと思います。だいぶ過去のことも一緒に振り返るため、かなりふわっとした内容になることを予告しておきます。更に、「あまり充実した記事にならないかもなぁ…」と思って書き始めたのにダラダラと長くなってしまいました。ぜひお時間と心にゆとりのあるときに。

 ・・・・

拘束契約

会社にいた頃は全く聞き覚えの無かった「拘束契約」という言葉。初めて耳にしたのは、実際に拘束を受ける遥か前のこと。フリーランスになって半年くらいの頃だったと思う。電話口で「現在どこかしらで拘束を受けていらっしゃいますか」といった感じで切り出され、率直に「拘束とは何ですか?」と聞き返したことがある。

その時は会話を濁され、まともに教えて貰えなかったが、(受けてないならいいです、という感じで)言葉のニュアンスからなんとなく想像はできた。ある程度決まった作業時間を確約する、みたいなものかな?という程度には。

世の中にはそんな契約が合って、それで人気のアニメーターさんを確保できるんだなぁ、なるほど(憶測)。キーアニメーターと呼ばれるような方たちは、単に単価調整があるものだとばかり思っていたし、アニメーターの給料=出来高という脳みその自分としては目から鱗の案件だった。

 

拘束依頼予告

次に話題に出たのは、拘束依頼予告のような内容だった。

「まだ先の話だけど実際に拘束を頼みたいと思っていて、もしお願いしたら期間中空けといてもらえる?」といった感じの話だったと思う。そのとき自分が何と言って答えたのかは覚えていないが、詳細が分かったら教えて下さい、それから判断しますみたいな感じで返したのだろう。結局連絡をくれた制作さんとはそれ以降全く連絡を取ることはなく(よくあること)、同スタジオとはやりとりがあるものの、該当作品が動いているのかどうかも不明のままだ。

 

満を持して

そんな感じで自身の周囲から小出しにされ続けていた「拘束契約」。漸く() 実体験することになったのは、201811(くらい)のこと。

日頃お世話になっているスタジオさんから、あるテレビシリーズの拘束の話題が出た。自分がフリーランスになってはじめて取引をさせて貰った会社で、もうかれこれ4年半くらいのお付き合いがある。

 

同社からはレイアウトを多少と、隙間で第二原画を受けている。レイアウトの出来としては滅多に褒められるようなことはなく、かといってボロカスに言われるようなこともないレベル。それでも継続して依頼が入る程度の出来栄えだ。たいして二原は丁寧な人に頼みたい案件、社内で仕上げたい案件などでも相談してくれるような水準のようだ。

同作品ですでにレイアウトに携わらせてもらっている最中だったが、今回拘束を依頼されたのは、主に二原の仕事でという事だった。実際契約するかどうかという段階になって、やっと条件だの何だの、細かい実態を知ることができた。

 

拘束の詳細

拘束というのは実際の仕事量に関わらず固定給を出す、期間中は別の作品を受けないでor控えて、という契約。つまり、時間を確保していれば作業したカット数には関係なくお給料がいただけるのだ。そして、単なる固定給とは違い、作業分した分もきっちりいただける。スゴイ。

 ここで、新たに知りえた情報が、拘束にも種類があるという事。

 完全拘束と半拘束。読んで字のごとく、完全拘束はその作品のために100%時間を確保する、他の作品は一切受け付けない契約。半拘束は、作業時間のだいたい半分はその作品のために確保しておく契約。

…事実としてはどうか分からないが、説明上は上記のように捉えて構わないと思う。というのも、自分が他の作品にどれだけ携わっているかは厳密には取引先には分からないし、仕事の依頼が入ったときに受けられれば、他の時間に何をやっていても問題ない。当然、拘束時間の多い完全拘束の方が手当は大きい。実際に聞いたわけではないが(覚えてないだけかも)半拘束は半額くらいなんだろうか。この辺は会社によってもバラつきがありそうだ。

 

葛藤

まとまって決まった仕事と収入がある。これだけで収入の不安定な身としては飛びつきそうな話だが、何を思ったかOKを出すのに非常に躊躇った。自分がフリーランスになった理由まで考え出して、初めて起こる出来事にすごく臆病になっていた。

果たして、了解してもいいのだろうか。

好きな時に好きなだけ気ままにできる現状から、山のような仕事に終わりの見えない業務、次から次へと追加がやってくるあの地獄に戻ってしまうのでは?

拘束期間中に別社からもっと興味を惹かれるタイトルのお誘いがあったら断るしかなくなるのでは?

作画の仕事以外に仕事の幅や生き方、趣味との向き合い方や生活面を見直すために退社したのでは?

作画詰めになっていいのか?

作画詰めになっていいのか?

作画詰めになっていいのか?

・・・

そう、自分の葛藤の中心にあったのは「自由が失われること」だった。

自由になるために会社を出たのに、自分でそれを手放そうとしている矛盾に、どうしても精神的な引っ掛かりがあった。

 

そして、まぁ冒頭で切り出しているように、拘束を受けた。これに至ったメンタル的な経緯はおそらくあまり誰の役にも立たないだろうが、将来自分がまた同じようなことに陥らないとも限らない。念のため簡単に記しておく。

自分が拘束を受けることにした理由。

・そうホイホイあることじゃない、なんでも経験しとけ。

・拘束といっても永遠じゃない。(多分3~4か月くらい。)

・お給料がウマいぞ。

そうして、結局自身のチキンな部分も捨てきれず、間をとって半拘束ということに落ち着いた。報酬についても、ひとまずこのくらいで、こなした物量をみながら都度交渉という話に落ち着いた。

 

拘束を受けて

しかし、この一見良い待遇が逆に自分の良心を苦しめた。拘束を受けた数か月間、タイミングが合わずに大した物量をこなせなかったのである。どのくらいできなかったかというと、拘束なんて受けてなくてもさして変わりないくらいの普段通りの量しかこなせていなかったのである。

ここで自分を苦しめたのは「固定でいくらか貰っているのにいつもと変わらない成果」というだけでなく、「こなした物量に応じて評価がかわる」という条件だった。これだけの成果しか出せなかったのだから、次はもう無いかもな…などと考えだした。

先方は都度「タイミングを合わせられずに申し訳ない」という言葉をくれ、上がりに対しても「丁寧にありがとうございます」と言っていただけるだけに、もう胸が痛くて仕方なかった。

因みに、半拘束ということで普段より他社の仕事を減らしたり、1か月の作業日数のうち半分は確保しているので、自分に非がないといえばそうなのでが、そういう問題ではなかった。そのときは申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

スケジュール調整については、拘束が初めてという事もあり完全に先方に任せきり状態だった。週の頭だかそのくらいに、「今週末このくらい出る予定です」という連絡を貰い、その都度自分の都合を確認する手筈だった。

が、手筈通りに連絡が来たのは12度だった。ほとんどが実際に仕事が発生してから「明日送っていいですか?」だった。しばらくはそんな感じでも特に気にしなかったのだが、1ヶ月経ったぐらいのタイミングで無駄な日が多いな?と感じはじめ、手漉きのタイミングをこちらから知らせましょうかと打診してみたこともあった。先方のご厚意で、「手間をとらせません!」といった感じで聞き入れてはもらえなかったのだけれど。

 

結果的には1ヶ月一生懸命働いたときぐらいのお金が、ゆるゆると働いても手に入ったという感じだった。

おそらくフリーになりたての頃の自分なら無駄になった時間に胃を痛め、うまく回らない歯車にストレスを感じていたことだろう。だが現在収入面でそれほどガツガツしていない自分は、余暇があるのに一定の収入が入るという状況に満足していた。いや一般社会人と比べたら笑えない金額だし貯金は全然無いしお金はいつだって欲しいのだが。

自分的にはオイシイし、損は全くない筈なのに、精神的にモヤモヤするな…全く見ず知らずの縁もゆかりもない相手ならなんとも思わないのかもしれないけど。どう考えても相手が損をしている気がしてならない。

それに、仕事の出来や物量を見て今後の拘束依頼の有無が変わるのだとすれば、もう拘束は無いだろう。この、「次は無いだろうな」という予測がついてしまうのがモヤモヤの最たる部分なのではないかと思う。

自分は他人の評価を酷く気にするきらいがある。相手にとっては何十人と相手をしている仕事相手の一人であることは理解していながらも、「頼んだけど駄目だったな」と思われているのではないかと内心ハラハラしている。だから、拘束料は大変オイシイものではあったが気持ちよく受け取れたものではなかった。

それが4年以上付き合いのあった相手に抱かれた感想だと想像するだけで、居ても立っても居られない気持ちだ。今、忘れかけていたモヤモヤが、こうして記事にすることで蘇ってくるようだ。

 

…まぁそんなこといつまでも言ってても仕方ない。仕方ないよ。もう終わったことです。こうやって、スッキリ切り替えができるようになったのも、独立してから得た力のように思う。またふとした時に思い出すことはあるんだろうが。

仕方ないなら仕方ないなりに、次回、もし次回!拘束の依頼があったらそのときどう対処すべきか考えておいた方が建設的じゃないか?そう、まだ次回があると考えるくらいには絶望していないし能天気である。

 

~ご利用は計画的に~拘束契約

・何月まで、何話あるのか教えてもらう

・各話の進行スケジュールを共有してもらう

・月々のカット数めやすを相談する、してもらう

・仕事の出そうな曜日を教えてもらう

 

自分の考えた対策はこうだ。まず、一番大きなスケジュール、作品の終わりと話数を把握する。そのうち何話を作業するのか、作業する可能性のある話数の進行スケジュールを共有してもらう。これが有るのと無いのでは、先の見通し、予測に大きく差が出る。半拘束の場合、どのタイミングで他社を受けて良いか判断しやすくなる。勿論スケジュールは遅れてなんぼみたいなところがあるし、後ろになればなるほど詰まってくる。都度調整は必要だ。

月々のカット数目安(このぐらいはやってほしい、頼む予定がある)があればより判断材料になる。今月は予定より多かったor少なかったが数字で分かることで得られるものもあるだろう。契約前に提示した数字が、実際話数が動いてからは入ってこないなんてこともあるだろう。それはそれで、どこかしらで遅れがでているんだろうなと想像することができる。

更に細かいスケジューリングでは、週単位の状況把握。実は演出さんの出勤時間等の関係で、仕事が出やすい曜日というのがある程度決まってくるらしい。そういう「チェックする人」の机にどのぐらい仕事が積まれているかで「週末出そうな物量」を把握できるのだろう(ここを連絡してほしかった)。曜日がある程度分かっていれば、そろそろ入れの連絡があるな・・・?と予想できるかもしれない。

 

題して「いつ来るか分からない仕事に気をもんで待つより、全体像を把握することで少しでも推測と心の平穏を得よう」作戦。

 

・・・・

読んで「は?こんなことも共有してなかったの?」と思う方もいるかもしれません。一緒に仕事するんだから、頼まれたことやってるだけじゃ見通し悪いですね。状況把握と自分なりの推測が建てられる程度の情報があれば、もっと気持ちよく仕事ができるのでは?と思い至った今日この頃でした。

も・し!!次があれば!これを念頭に拘束には飛びついていこうと思います!

究極に寂しい行動。 自分で自分に質問!(その1)

 

年間で数記事しか投稿がないブログでも、地味に足をお運びくださる方が増えているようで、かなり恐縮です。

でもありがとうございます。うれしく思います。


びっくりするくらいブログを放置してしまうので、質問形式なら少しは文章が書きやすいかと思い、自分で自分に質問という、ちょっと寂しいことをやります。

考えすぎてダラダラと長い文章になったり方向性が迷子になったりすることが多いので、もう少し気軽に記事が書けるようになりたい。

ということで今回は、自分の周囲から度々受ける質問も思い出しながら、個人的な仕事形態を紹介できればも思います。
いちフリーアニメーターのやり方であって、これらは絶対一般的ではないという事を念頭にお読み下さい。

 

今回の質問はこちら


・忙しいの?
ムラがあります。忙しい時は立て込み、暇な時はGW並みの連休がある、という具合です。
複数の会社とやり取りをしていてスケジュールは違う筈なのに、なぜか重なるときは重なるという。


とはいっても自分の場合は作画の仕事をセーブしているところもあり、忙しいの基準値はだいぶ低いと思われます。
具体的には1ヶ月あたり40cutを越えることが分かった時点で新しい仕事をとらないようにしています。
1日あたり2-3cutずつ作業して、週1-2日は休めるようなペースです。現役最前線で活躍するアニメーターにしてみれば超ヌルイと思われます。

 

作業はおおよそ10時かそのくらいから開始して、15時には仕事を終えます。お昼は30分程休憩を挟み、集中が切れたら日向ぼっこをしながら草花を眺めて癒されています。(雨でも外に出ます。)

 


カツカツに詰め込みすぎないのは、作画以外の時間を大切にしたいからという理由の他に(過去記事参照)、自分の担当cutはフィニッシュまでやりたいという思いがあるからです。

 

作画の流れとしては、まず事前に電話で打ち合わせ(電話打ち・作打ち)をし、それからレイアウト(L/O)作業をします。
L/Oを先方に提出したら演出チェックが入り、修正指示の入ったものが戻ってきます。
それを清書(原画作業)するのですが、手一杯になると原画を受けられなくなってしまいます。


自分の考えたプランがどんな風にチェックされ、どこがよくてどこがダメだったかを確認できないまま、第三者がそれを清書する(第二原画・二原・二原撒き)ということになってしまうんです。

 

原画の作業をさせて頂けるようになるまでは、動画と並行して二原をよく受けていました。
その際に必ずといって良いほど目に留まる演出指示や作監修正、メモなど…


辛辣な言葉が殴り書かれていることもあります。
ここはこうさせて下さいというプラン変更や、稀ですが称賛、謝罪などもあり、これは本人に伝わらないと意味がないなと苦い顔をすることもしばしば。

 

顔も見えない相手からの唯一のコミュニケーションです。文通の返事のような感覚もあります。返事がないのは寂しいです。

スケジュールの関係に二原撒きになるケースもあり、このときは辛酸を舐める思いです。

 

まあ単純に自分の原画作業以上に満足行くクオリティーの方がそうそういないと自負している部分も大きいのですが(笑)
自分が取り立てて丁寧と思ったことはないですが、二原撒きになったものは必ず残念な結果を画面上で公開処刑してくれてますからね。

 

余談ですが二原の仕事事態は好きで、一時はプロ二原でやっていきたいと思っていたくらいです。

忙しいかどうかという部分からだいぶ焦点がずれてしまいましたが(笑)
今回はこのへんで!

動画でスピードを得るには

まったく忙しくないというのにブログの更新がまた滞ってしまった。
春からアニメーターになった人達は、自分のやりやすい仕事の仕方が少しずつ確立してきたころだろうか。
こんなタイミングでまた微妙な記事を投下してしまうことを許してほしい。

 

中途採用者やインターンもいるだろう…ってことで、時期的に全く的外れとも言いがたい、と思いたい。

 

 

 

 

動画でスピードを得るには

 

単価の低いアニメの仕事は 時間との戦い。
今回は自分が意識せずともゆとりを持って月に500枚の動画を描いていたときのことを記事にする。

 

 


生きるためのノルマ


アニメの制作スケジュールはおおむねタイトなもの。だがいくら納期があっても、悠長に仕事をしてたら生活費もままならない。

動画の場合は昇級や在籍にノルマを課している所も珍しくない。


このノルマの多くは、決してアニメーターを苦しめるためではなく、「この程度がこなせなければ今後本人が苦しむだけ」という尺度。
常に必死で息つく間もなく脇目も降らず、そんな新人動画マンも少なくないように思う。

 

自分の在籍していたスタジオでは、一年目のうちに月350枚を達成しなければ離職させられる。原画試験を受けるには500枚を3ヶ月連続で達成することが条件だった。

 

自分もやはり勤め出した当初は一瞬の無駄もなく仕事をしようとして働いた。席についているときだけでなく、移動時間やトイレの間も時間を意識し続けた。
よく最短距離を早足で移動していたので、廊下のかどで肩をぶつけていた(あぶない)。

 

それが、いつの間にか自然と500枚達成するまでのスピードを得るまでに至った。

動画作業を経験したことのない人にとってはピンとこないかもしれないが、これは自分の周囲を見ていて早い部類だった。
軽めのカットがなかなか回ってこない元請けもあるようなスタジオだったので、他の会社の事情に疎い自分からしても結構優秀な方だと思って良いのだと思う。

 

はじめは会社の定めたノルマを達成することが目標だった筈が、意識と実践でそのノルマを軽々と越えられるだけの力をつけたのはなぜか。

折角なので、自分がどんな風にしてそのスピードを身に付けたのかを思い出せる限りここに残しておこうと思う。


フリーになった今、自分のやりたいだけの量を受け、もう時間やノルマに追われるようなことはないけど、どこかの誰かの役に立てば幸いだ。

 

 

 


「まずは早さを身に付ける クオリティは後からついてくる」


当時、動画研修を担当していた動画検査(動検)さんの一言を今でも忘れない。この言葉がなければ今のスピードは身に付いていなかったように思う。

 

この一言を聞いていたのは自分ひとりではない。それでも速度に差が出たのは、クオリティを下げることに躊躇したかどうかだと思う。

 

質を下げれば当然、チェックが通らない。多くの仲間は、なるべくイッパツでチェックをクリアすることを目標にしていた。

 

チェックを受けている時間は動検の横で立って見ていなければならず、指摘を貰ったり修正箇所を実際に指示されたり、学びの時間でもあるので実作業をすることができない。


チェックの回数が少なければその分鉛筆を持っていられる。チェック中の指示が少なければ、それだけチェックにかかる時間も短縮できる。
結果、より多くの作業時間を確保して枚数を稼ごうというプラン。

 

これを可能にするには、まず自分のできる限りの丁寧な動画を上げることが必須となる。つまり、一枚一枚を丁寧にしあげるためにかかる時間以上には早くならないということだ。

 

では質を下げて速度を上げるとどうなるか。


まず、動検に怒られる。というか注意される。
じっくり丁寧にやれば30分かかる仕事を、15分で上げる。当然いたるところに綻びが出るのでチェックで色々言われる。

 

ここで注目したいのが動検も仕事があり、その合間で研修をやっているということ。(スタジオによるが)


つまり、1から10までは指摘してこない。
大事な部分だけ、重要度の高い順に指摘してくる。チェックを終えたら指摘された部分はきっちり直す。

 

 

きっちり直せると、通るのだ。

 


丁寧に上げたときに頑張っていた部分が出来ていなくても通ってしまうのだ。
これを繰り返すと、動検が何を大切に思っているか、動画のどこを主にチェックするのかが見えてくる。そうすると、要点だけを押さえた時短動画で一発OKを貰えるようになる。

 

チェックを受けたら指摘された部分はきっちり直す。実は、はじめはこれが難しい。何故なら、自分の腕が質を下げた感覚に慣れているから。

繰り返していると、早さをコントロールできるようになってくる。スピードが身に付いてきたところで大切な部分から丁寧に作業していく。

 

時間と腕前を天秤にかけ、余力がでればその範囲を広げて徐々にクオリティを上げていく。とても美しい動画とまではいかなくとも、そこそこに美しい動画までは持ってことができる。

 

同期の中に、「低質な物を上げる自分が許せない」と言う人もいた。絵が描きたくて、アニメが好きでこんな仕事をしているのだから、誰だって意図して下手な絵なんて描きたくないだろう。


速度を上げるために一瞬でも質を下げることに抵抗がある人にとっては、この方法で仕事をすること自体が楽しくなくなってくる事もある。
苦しい業界で戦う中で、自分を支えてくれる大きな支柱を腐らせてしまうことになる。


だからといって、このやり方が苦しいばかりではない。
素早い作業の中で自分をコントロールし、徐々に精度が上がっていく様は自分の事なのに見ていて楽しい面がある。
最初はボケボケだったピントが徐々に合っていくような感覚や、筋トレを続けた成果が見える瞬間とも似ていて、素早いロングストロークがイッパツで決まったときは爽快でもある。


しかしまぁ自分の同僚のような考えの人も少なくないので、気質として向き不向きの大きいやり方だ。

 

 

 


早さを手にいれるには


とはいえ、動検によっては、上がりが全然ダメすぎて無言で突き返されることもある(かもしれない)。ここで、チェックを通すための最低限のクオリティを守るために必要なポイントを整理しておく。

 

これらは出来れば自分の力で発見出来た方が身に付くし意識も上がる。もし動画になりたての人がこの記事を読んでいる場合は、上記のように動検にまともにチェックして貰えなかった場合に参考にしてもらいたい。

 

 


動検が見るポイント


※自分が在籍していたスタジオでの場合。

 

目と目の周辺 【!最重要!】

視聴者が見るのは一にも二にも目もと。
一瞬で場面転換するアニメの世界、目さえキレイに描けていれば「作画がいい」と錯覚する視聴者は山ほどいる。
瞳孔、睫毛や目尻など線の終わりがバラバラでガタってないか。
瞼の幅が中割で変わってないか、など。
目の周辺の眉、前髪や鼻あたりも目立つため一緒にチェック。

 

アウトライン(シルエット)

セルとそうでない部分(背景)の境界となる部分。
ベタ塗りと水彩塗りなどの塗りの差が出る分、粗が目立つのがシルエット。
毛先、アホ毛、髪についてるリボン、肘などの間接など、特に角になっている部分を始め、頭の丸みなども目立つので注意する。

 

先端、コーナー、交点

毛先など長さが中割で変わっていないか。太さ(幅)よりも長さ(先端)のガタが目立つためしっかりチェックする。

 

 

以外とセーフなところ(スタジオによる)
線が真ん中を通るかどうかはあまり重要ではない。

複雑な1/3割りや1/4割りも、片側に寄ってさえいれば概ね通る。


〈時間の意識〉
・分単位の意識をする。
一枚何分かかるか、実線は何分、色トレスは何分、裏塗りは何分かかるか常に意識する。

・時間単位の意識をする。
午前中に何枚、昼御飯までに何枚、15時までに何枚、17時までに何枚、19時までに何枚描くか決め、常に遅れを意識する。

・日数単位の意識をする。
一日あたり何枚描くかの目標を立て、毎日ペースを見直す。

 

〈線の意識〉
ロングストローク
一発で引ける線の長さを把握し、これを少しずつ伸ばすよう意識をする。
はじめは終着点に印をし、そこを目指して線を引く。
背筋をなるべく正し、視界を広く確保する。
無駄な線を引かない。消ゴムの時間を省く。

・効率よく線を引く
同じ角度、近い角度の線をなるべくまとめて引く。紙を回転させる時間を省く。
(ヌケやすくなるので注意)
同じ色トレス線をまとめて引く。
裏塗りは塗り分けが必要なパーツ部分から塗る。

〈提出〉
・消しカス掃除
紙を軽くさばいてからクリップで束ね、左手でめくり右手で羽ぼうきを使う。
このとき裏塗り忘れがないか、動画番号を見て枚数に不足がないかも確認する。

 

補足
自然と無理なく達成といっても、無理の範囲は人それぞれなので補足説明しておく。自分の場合は会社の定時内(10時-18時か19時だったかな?)で、残業したり休日出勤したりしていないということ。
定時内は昼休憩とトイレ休憩を2-3回程とって、他は基本的に机に向かっている状態。

人それぞれと言っておきながら、この勤務時間で体力的に無理があると感じた場合は、残業や休日出勤、スピードアップ諸々よりもまず体力作りをして欲しいと個人的には思う。

自分の場合、月頭1日から25日前後でだいたい500枚に到達するペースだった。
頑張って500枚描いても動画なら精々10万前後なんですけどね( ´,_ゝ`)

しかしながら新人ほやほやアニメーターの動画マンにとって、二桁もらえるというのは結構テンション上がることだと思う。
給料が全てではないけど、400枚と500枚の違いはこの辺にもあるのではないだろうか。

 

早さは後からはついてこない。
極力丁寧に仕事をするのはもちろん素晴らしい事だけど、一度板についたスタイルはなかなか剥がすことができない。
スキルの向上で微々たる速度アップはあっても、飛躍的に早くなるということはない。
かわりに、早さに慣れてしまうと辛抱強い仕事が辛くなる。
1時間かかる物量のトレスが苦痛になる。早く仕上げたいあまりに粗が出てしまう。
どちらにせよ「良いものをコンスタントに上げる」という意識が必要となってくる。


私見ではあるが、信念も大事だが仕事であることを忘れずに割り切って挑めると精神衛生上よろしい。
とはいえ結局は自分の付き合いやすい方法で、仕事と向き合うことが近道なのかもしれない。

 

動画マンで退職してから原画マンになるまで

田舎生活を満喫しながらフリーアニメーターをしている人間の日々を綴っています。

 

前の更新からずいぶんと日が(月が)あいてしまいました。

3月から放置のこんなブログでも、ありがたいことに覗いてくれる人たちが居るようなので、ちょっと前向きな話をしたいと思います。

自分が会社を辞めてフリーのアニメーターとしてやってきて4年。

独り立ちしてよかった!と思うことしかないので、会社を辞めたいけど行動に移せないでいる人の判断基準になれば幸いです。

 

※アニメーターにとって理解できる程度の内容となっています。

一般の読者の方、読みにくくて申し訳ありません。

 

 

会社を辞めたい人に叫びたい!とかはできない。

残念ながら励ましの言葉や前向きなアドバイスは性格上できません。

どれだけ成功譚や綺麗事を並べても、結局は立場の違う他人の世界でしかないと思ってしまうからです。(自分が大成功しているとは言ってない←)

なので、ここでは自分が独立する前はどんな状態で、現在はどうなっているかの事実と、そのときの心境を記そうと思います。

 

※多少会社ヘイトがありますが、あくまで自分が在籍した会社の話です。

ステキな会社もあるはずです。きっと。絶対。

 

 

会社を辞める前・・・会社が辛い、アニメーターは続けたい

  • 会社で作画に没頭する上司たち、それに憧れろと言わんばかりの社風が古臭くて嫌いだった。苦労、徹夜、努力を尊ぶ社風に反吐が出た。
  • 仕事のストレスをそのまま態度に出すチェッカーが社会人として間違っていると思ったし尊敬できなかった。この人と仕事したくないから原画になりたいと思ったくらい。
  • 多趣味でアニメだけに生活を捧げるのは違うと思っていた。むしろ作画を副業的に続けたいとすら思っていた。もっと自由なアニメーターのスタイルがあるんじゃないか?と疑問に思っていた。
  • 入社から4年間も動画マンをやっており、度々試験で落とされ続けていた。
  • 次の原画試験で落ちたら辞めようというところまできていた。
  • 幼い頃からアニメ好きで、アニメの仕事が好きだし、大学出てこれしか社会経験が無いということもあり、会社を退いてもアニメーターをやっていたいと思っていた。
  • 原画昇格への情熱は薄く、万年2原で生活できたらな、と思っていた。

 

 

独立のために準備したこと(2月)

  • なるべく波風立てず穏便に辞めること。本当は会社が居心地悪くて仕方なかったけど、他に志す道ができたから応援して下さいという形(嘘ではない)で辞職を切り出した。※
  • キリ良く3月一杯で辞職する。

※地元に帰らず会社の近所で暮らし続けることを選んだため。

 

 

休職の間(4月ー7月)

  • めっちゃアニメ見まくった。旧作4クールも3日で見るようなペースでここぞとばかりに見まくった。
  • 新しいパソコンを買ってゲームしまくった。
  • 無職になって4ヶ月ほど経って、変な汗が出てきた。

 

 

仕事を探さないとやばいな期(7月)

  • 休むだけ休んだら冷静になって、仕事したくなってきた。しないとやばい衝動がでてきた。
  • 作画は好きだし、画力はさほど自信が無いのでやっぱり2原ばっかりやって生活出来たらいいなと思っていた。
  • 動画には別に情熱とかなかった。とにかく2原やってみたいと思った。
  • 仲の良い制作さんや演出さんなんていない。だって動画あがりだから。会社も隔絶されていて社内=アニメ業界の全てだったから。
  • 前の会社では2原ですら資格が必要で全くやらせてもらえなかったけど、普通はある程度動画の経験があれば2原をやらせてもらえるらしいということを社内で耳にしたことを思い出す。

 

 

最初の仕事の獲得(7月)

  • 今放送中のアニメで自分が好きな作品を選んで、ホームページに載ってる「お問い合わせ」にメールした。「御社の作品〇〇がやりたいです、どこの会社で何年仕事をしてました。」というような就活メールのような文章。
  • 2社連絡を取り、2社ともお試しで仕事を振ってくれた。1社だけダメ元でいきなり2原を聞いてみたが、未経験でもあっさり仕事をくれた(というか国内に動画を蒔くスケジュールが無かった)。
  • まだカット袋に入ってない仕事をはじめてする。
  • 兼用カットが2cut分だと知る。

 

 

会社を辞めたいと思い立ち、そして最初の仕事を貰うまではおおよそこんな具合でした。

では4年経った現在、どんな風に仕事をしているのか?

そこに至るまでを簡単に振り返ってみます。

 

 

仕事が無い時期がくる(8月ー10月)

  • 2社とのやり取りでスケジュールに隙間ができ、イライラする。会社に届いた動画を描いて出せばよかった時は知らなかったが、スケジュールは絶対ずれ込む。来ると言っていた時期にスケジュールを空けているのに、その通りに仕事がこない。
  • 遅れの程度は作品や会社によって違う。なのになぜかいつも重なる。なぜだ。

 

 

2原を続けてたら原画マンになった(12月)

  • 会社内で携帯番号をまわされる。
  • 別にやりたくもなんとも無かった動画は、2原が増えると同時に取らなくなる。
  • 大事な2原を任されて、しかも単価調整をしてもらう。カットに「丁寧な人に」と書かれたカットをよくもらうようになる。
  • なりたくも無かった原画マンになる。先方曰く、「この2原(あがり)なら原画できるんじゃないでしょうか」。
  • 誰にも相談できない環境で、ひとりで悩み、ひとりで調べる仕事も自分の成長が見えてやりがいを感じる。

 

 

取引先を増やす

  • 隙間を埋めたい、懐かしの好きな作品の続編が作られる、色々な理由で取引先を増やす。
  • 知らない会社からも電話がかかってくる(何かのリストに載ってしまったらしい)。

 

 

取引先を増やし、携わる作品を増やしながら2原ときどき原画を1年間ほど続けていました。

会社で働いていたころは原画マンになるための試験をクリアすることが絶対条件でしたが、ある程度丁寧な2原が描ければ原画をやらせるという会社も珍しくないのかもしれません。

 

以下、個人統計で偏りがあると思います。

  • 2原始まりで先方から原画の声がかかったスタジオが2社
  • 「他社で原画経験があります」と言って原画をさせてもらえるようになった会社が1社
  • いきなり原画を頼まれた会社が2社※

※いきなり原画を持ってきた会社は、1件が前にお世話になった制作さんの転職によるもの、もう1件が個人情報の漏洩によるものです。

 

 

独立から丸4年、成長を実感する出来事の到来

なんと、動画上がりでやってきた自分が版権絵を頂きました。

制作さんは口々に「いつも丁寧な上がりをありがとうございます」と言ってくださるけど、もうテンプレというか社交辞令というか、実感として高評価をいただいているという自信がありませんでした。

 

それが、実際に限られた人にしか回ってこないような特別な仕事をいただいたことにより、とても確かな自身につながりました。(ちょっと図に乗っています)

※版権絵

雑誌やDVD予約特典、CDジャケットなど出版物やグッズに使用される絵。

ボーナス。 

 

 

課題は山積み

作打ち(電話打ち)が下手だったり、苦手な演出さんができたり、取りたい仕事が手詰まりで取れなくなっていたりします。

初めは作品で選んだ会社ですが、今は中の人たちと一緒に仕事をしていくという感覚が分かってきて、好みの作風ばかりを手がけるわけにはいかなくなって来ていたり、仕事を詰めすぎて趣味の時間や勉強の時間が減っていたり。

(1日5時間くらいしか仕事してませんが)

 

 

今後もちょっとずつ調整しながら、自分のやりやすい形で長く続けていけたらと思っています。

現在はクリップスタジオを勉強中。試用期限が過ぎてコンビニにお金払いに行かないといけません。

移住を考える方々が参加するツアーがあったそうです

先日、田舎への移住希望者が参加するツアーがあったそうです。
観光目的でないツアーで、地域の産業や空き家を見て回ったり、まち歩き散策をしたりなど、実際にこの土地で暮らすイメージを掴むことを視野に入れたツアーのようでした。

田舎アニメーターの日々を綴るブログとして、これは題材にしておくべきでしょう。
いち移住者として、(参加したことないし携わってもないけど)移住体験ツアーに対する考えなどをしたためてみました。

 

■ツアー参加の本当の目的は?
移住希望者にとって、移住前に現地を案内して貰えるのはとても良い機会ですね。
住むことを前提とした内容は、通常の観光ツアーではなかなか難しいし、かといって個人では散策くらいしかできない。
で、移住者が欲しい市区町村ではこのようなツアーが増えているようです。


(移住体験ツアーリンク)
http://www.furusatokaiki.net/type/

 

 

移住者体験ツアー、行政が地域おこしや移住推進目的で執り行っていることも珍しくないようで、無料や格安なことが多いのも特徴です。
リーズナブルに一泊二日の旅行ができてしまうので、内容によっては真に移住目的の人ばかりかといえばそうでもないかもしれません。
もちろん、いくら格安でも全く興味がないものに参加しないだろうとは思います。
ですが、移住は選択肢のひとつ、ゆくゆくはそれもいいかも、という人も多少は存在するのではないでしょうか。
そんな人たちにも広く地元を知ってもらいたい!というコンセプトならともかく、真剣に移住を考える人とごっちゃになるとプランが組みにくそう。

加えて、地域の「移住者来て欲しい!」「若い人増えて欲しい!」的な空気もあり、ツアーを楽しい催しで盛りだくさんにしている所もあるかもしれません。
このへんも、参加する客層がブレる要因のひとつな気がします。
なんやかんやで安くて楽しい旅ができるのでラッキー!というような。
反対に、真剣に移住を悩んでたり質問したかったりする層には、ピントのずれた取り組みと感じられてしまうかもしれません。

 

 

過疎地でそれほど沢山のツアーが組めるとも限らないので、宣伝方法によっては移住に真剣な層とそうでない層(ダジャレではない)が入り交じることになりそうです。
本気で移住を考える参加者に対して、必要以上のおもてなし・お客様待遇することは正解ではないでしょうしね。
ツアーという従来のサービス名を使っていても、「お客様をおもてなし」ではなく「訪問者を案内」ではなきでしょうか。

移住希望者には楽しい思い出だけじゃなく、有益な情報を持って帰って欲しいものです。
移住希望者の求めるものを把握し、それに沿った的確な対応を組み込むことが良い結果に繋がるのではないでしょうか。
まぁ取り敢えず成果報告できれば、なんてツアーも勿論あるでしょうが…

 

 

 

■確実な層を集める
形だけのツアーはさておき、本当に移住者を集めたいなら。

移住を真剣に考える人ほどリーズナブルなツアーが嬉しいもの。 頻繁に現地に来られないからこそ、安価で下見できることは強みです。
ならば、現地に来ずとも遠方で確認できるネットでの情報提供の大切さなんてのは、考えたらすぐ分かることですよね。
下見もそうですが、折角の現地民に生の声を聞いたり質問したりできる機会。ツアーに参加する前にあらかたの情報は入手して、疑問点や不安要素を具体化しておきたいものです。
そう、移住希望者にとって最も重要なのは情報です。特に、真剣に移住を考え、且つ移住先の候補地がいくつかあるような人々には。
候補地の一方が情報不足であった場合、冒険家やギャンブラーでない限りもう一方を贔屓するのではないでしょうか。

ぼんやり夢を持ってその事柄を調べたとき、関連情報の入手しやすさで熱意って変わりませんか?

 


例えば、この場合の夢が

○「どこか田舎に移住したい」

だったとします。

[田舎_移住]
[田舎_住みやすい]
などで検索してみると、だいたい色んな都道府県のランキングとか補助一覧とかが出てくる。
限定の土地に惚れ込んでいる訳でなく、単に田舎への移住に憧れる人は、情報のある田舎から選びます。
「どこでもいいから住みやすい田舎に住みたいなー」だった場合は、ここで一段階【移住】が具体的になります。

 


補助やらなんやら調べた末に候補地が絞れてくると、

○「実際住むとこあるのか?」
○「仕事あるのか?」

あたりが気になって検索するかと思います。

[~~市_就職]
[~~市_空き家]※
[~~市_賃貸]
このへんでいくらか情報が出てくれば、はじめのぼんやりとした夢が結構鮮明になってきたりしませんか?
※移住者の多くがマンションでなく一軒家に住みたがってると勝手に想像。

 

 

わざわざ現地に出向かなくても、調べれば移住希望者にとって魅力的な条件が確認できる。
できそう、すめそう、やっていけそう感を掴んでもらうことが大切です。
フットワークの軽い人も沢山いますが、ある程度の情報を得て初めて「現地を見てみたい」と思う層も居るのではないでしょうか。
ツアーはこの次、まずは発信です。

 

 

移住した後の自分の姿を具体的に想像できるかどうかは、ツアー参加や移住の決意を軽くする要素のひとつ。
普段の情報提供を充実させ、具体的に移住を視野に入れている層をキャッチできれば、ツアーでもっと濃密な情報を持ち帰って貰えることでしょうね。
恒常的な現地の情報提供やツアー内容の告知方法によっては、募集段階で参加者の真剣度もある程度コントロールでき、具体的でコアな内容にできるかも、と思いました。(素人案)

 

 

過度なおもてなし(なんとか楽しんでもらおうとする)も、むしろ不要なことが分かります。
こうなるとツアーというより合宿って感じがしっくりくるかもしれませんね。
移住体験合宿。悪くない響きでは?

本気の人はいくつかの移住体験ツアーに参加してみて、比較した末に決断するというのが普通かもしれません。

ツアーで受けた印象がいかに具体的でためになったかが、移住先選定のひとつの基準にも十分なり得るかと思います。
移住希望者の移住目的によって様々でしょうが、

例えば

・子どもをのびのび育てたい人が、現地でかつてない笑顔の我が子を垣間見た、とか。
あるいは

・住民とのコミュニケーションを楽しむ暮らしをしたい人が、現地でおばあちゃんとお話してたのしかった、とか。
・仕事が見つかるか不安なときに、サポートや情報提供の場があることを知る、とか。

 

 

自分がそこで暮らす姿が具体的に想像できること。

 

移住の不安を解消するための質問に対して根拠なく「たぶん大丈夫です」と答えるようなところはどう考えても不安しかないです。
やっていけそう感を削いでしまいます。

 


■移住の目的
上でも触れましたが、一口に田舎暮らしといえど、移住者によって目的も様々かと思います。

 

・都会の喧騒を避けたい
・自然に触れたい
・その土地の産業を職にしたい
・経済的に暮らしたい
・のびのび子育てしたい

 

アニメーター視点から言えば、聖地巡礼などの流行から、

・その土地のファンだから

 

なんてのもあるかもしれませんね。
就職や子育てなんかは行政の支援も少なくないのではないでしょうか。
支援体制に差はあれど、移住者を求めている田舎であれば大抵のところは何かしら支えになってくれそうです。


(移住者支援紹介サイトのリンク)
 https://liginc.co.jp/189325

 

経済的に暮らすには、その地の物価をリサーチしておく必要があるかもしれません。
田舎だから何でも安いということはなく、むしろ衣料品は関西から移住すると大抵の店は高く感じます。
食品だけでも、当然魚が安いのは海側だけだったり、山側では山菜が安かったり。
経済的に暮らすには自炊メニューを柔軟に考えることができ(むしろここが楽しい部分ですが)、好き嫌いはしないことが重要かもしれません(笑)

 

どこにでも流通するようなものは近場で最安値を追い求めず、高い場合はネットで買うなど賢く買い物をしても。
田舎には、チェーン店が立ち並ぶ汚い風景が無い代償に、日曜雑貨品や電化製品は都会より高いことがしばしばです。

人件費も物価に伴って下がると思いますので、普通の社会人が都会から移住先の求人を見てると不安になるかもしれません。
賃貸マンションの相場を現住所と比較してみると、感覚がわかるかもしれません。

 


経済的には何の不安もない!
ただ静かな暮らしをしたい!
という移住希望者もいるでしょう。
特に定年後・老後を穏やかに過ごしたい、年金で趣味に浸る毎日を送りたい、畑とかこだわりカフェとか始めてみたい…


うんうん


…一番大変だと思います。
働き盛りの自分が言っても、なんの信憑性もない言葉かもしれませんが。
身体的にピークを過ぎていることを自覚の上、慣れない土地に暮らすこと、そこで新たな何かを始めることを具体的に想像することが大切かと思います。

天気予報で気温差を確認したり、天候の差をチェックすると良いかもしれません。
体感的なものは実際住んでみないとわかりませんが、覚悟が違うと思います。
雨の多い地域に移り住んで鬱った若い移住者もいます。太陽偉大です。

あと、田舎で静かに暮らすのも案外難しいです。
ニュースが少ない土地ですので、外から人が一人引っ越して来ただけでちょっとした注目の的ですし、田舎の規模によってはもはやニュースです。


喧騒を避ける=人から離れる な場合は田舎はむしろ辛いかもしれません。
都会より人の目が強いというか、意識されている感じ。過干渉を嫌う人は注意です。

移住先が想像とどれだけ違うか、それに自分がどれだけ順応できるかが、田舎暮らしの成功と失敗の分かれ目かもしれません。

 

 

■失敗談・価値観の差
想像と違うもので、個人的に一番ストレスになったのは、「考え方」です。
大きく価値観の異なる人々の中で暮らすことは、気候に慣れるよりもよっぽど辛い部分があります。

 

移住失敗談の中でしばしばネット上でも目にするのが、村八分(とまでいかなくても、住民間でのいざこざ)です。

田舎への移住成功が2~3割程度と言いますが、失敗ケースのどのくらいがこれに該当するのかは分かりません。
これを避けるためにも、現地で移住者が歓迎されているかどうかは、移住前に確認しておきましょう。

行政が斡旋しているからといって、住民が歓迎しているとは限りません。
就職枠の現象などを理由に、ハブられる地域もあるようなので、このあたりは現地に赴いて確認する他、現地に詳しい人を頼るなどしてリサーチしておく必要がありそうです。

 

 

しかし歓迎モードの土地でも普通に起こり得るのが村八分の怖いところ。
現地民と移住者間の価値観の違いによるすれ違い。
お互いの「あたりまえ」に差があることが原因だと感じています。

田舎に暮らす人々と、都会で暮らす人々。
年配の世代と、若い世代。
その他にも違いはあるでしょうが、何気ない態度、対応、言動がストレスに思えることもあります。

以下に、筆者自信が感じた田舎によくある【あたりまえの価値観】を挙げてみます。
(※実体験に基づいていますが、どこの田舎でも皆がこうだという決めつけではありません)

 

 

【田舎的あたりまえ】
☆移住者に対して
・若い人が引っ越して来ただけで嬉しい
・どこから来たの?結婚で?就職で?と、出身地や引っ越し理由をたずねる
・あとは結婚して子ども産んでくれればね(単身の場合)、いい人見つけてね、と移住者本人に言う
・ずっとここにいてくれるよね、と移住者本人に言う

 

 

☆ご近所さんとして
・どこでどんな仕事してるの?と、移住者の仕事、素性をたずねる
・玄関に鍵をかけることに疑問。インターホンを使うことに疑問
・出勤、帰宅時間は把握しておく
・コミュニケーション上のボディータッチ(肩をばしばしなど)
・自分の家の前の掃除のついでに近隣住民の家の前の掃除をする

 

 

☆家庭・組織として
・本家、分家という言葉がたまに出てくる
・なんだかんだ男性が偉い

 

 

☆その他
・基本的に噂が好き
・平気で路上駐車する
・車道を徐行する(歩行者と喋ってたりする)

 


筆者の場合、ほとんどが中高年です。
筆者的に、自分の感覚と違うなと感じた部分です。

特に車のマナーについてはひどいと感じています。
移住を考えている人は、どのくらい受け入れられますか?

 

 

因みに上記のコミュニケーションはほぼ世間話程度のやりとりでおそらく他意はないものと思われます。
結婚とか、あまりに何度も色んな方から言われるので正直ほっとけと思います。
結婚=定住という考えがあってのことだと思います。そうとは限らないんですがね。
また、子どもの姿が見たいというのもあるでしょう。
生涯結婚するつもりがない場合、ある程度年齢を重ねれば口をつぐんでくれるかもしれません。それまで耐えます。

 

 

前述しましたがどこからどこに、どんな人が引っ越して来たかということがちょっとした地域のニュースになります。
特に平和な土地では日頃からニュースに飢えている人たちが多く、しばらくは注目を浴びるでしょう。
もともと移住者の多い地域であれば心配ないかもしれませんが、ひっそり静かに暮らしたい場合は、このへんの覚悟は必要かもしれませんね。

 

 

そして世代差ですが、同年代でも(言い方悪いが)考えが古いこともしばしばです。
県外に出たことの無い人、生まれも育ちもずっとここ!という人は特にそう感じます。
メディアで今日のニュースが確認できる時代でも、感覚まで浸透するにはまだまだ隔たりがあります。
昔ながらの考えが受け継がれていくことは、即ち生活の中に例外が少ないということ。
人口に比例して当然その例外ケースも減り、身近で起こらないことはテレビの中のフィクションと同じ。
晩婚化と言われ続けていても、回りは皆結婚してるし、これが普通、というような。

 

 

どこに住んでも結局は「社会」なので、山を買って人里を離れるような仙人志望者を除いて、ある程度の人付き合いとは向き合う必要がありそうです。

田舎の人情味あるコミュニケーションに惹かれ、移住先で地域と密接に暮らしたい場合でも、場合によっては踏み込む境界などの差に戸惑うことはあるかもしれません。

逆に、何をしてもある程度注目してもらえるので、事業を興したりお店などを構えると皆さん広めて下さるかも。

 


■よかれと思っての事だと把握すること
閉鎖的な田舎でなければ、移住者はだいたい歓迎されていると思います。
人口の少ない土地。代わり映えしない面子の中に見知らぬ人間の姿があることは、初めのうちは警戒対象になることも多いと思います。
ですが、上記のようなコミュニケーションを経るうちにそれも薄らぐと思います。

 

 

知らない人間は警戒する。

様子を見ていろいろ質問してみる。

いい人、悪い人の判断。

 

 

これって、本来は普通のことなんでしょうね。
少数の人々が助け合って暮らしている。
その平和な暮らしを守るセコムを、住民ひとりひとりが行っているだけのこと。
これが今の時代まで続いていることが、その土地の平和の証なのだと思います。

 

 

だって、留守の時間帯を把握するって、筆者なら犯罪のにおいしか感じませんし。

 

 

 

つまり、詮索するのも、根掘り葉掘り聞くのも、結婚結婚言うのも、

 


悪 気 は な い ん で す 。

 


…これが念頭にあるかどうかで、ストレスの重さが変わると思います。
あとは年代や文化の違いかな?男尊女卑とかは。
気に入らない全てを否定して閉鎖してしまうことも出来ますが、その土地で暮らしていく意味の半分くらいは失われると思います。
そういった違いひとつひとつがそこで根付いた文化とも言えるからです。

 

 

■歩み寄りも必要
とはいえ、一方的に相手を知った気になって互いの互いの理解を諦めるのも生き辛いでしょう。
似た者同士だけで寄り添って愚痴り合うのもその場しのぎで解決にはなりません。
コミュニケーションを重ねて、打ち明けられる範囲で辛いことは辛いと告げるのも大切だと思います。

 

 

多くの住民が、移住者を歓迎しています。
ですが、その感覚が分からず、分からないままコミュニケーションをはかってきてくれています。
私の暮らしていたところではこうだった、こういうところに驚いた、こういう行為は驚くから控えてほしい。
たぶん、相手も知りたがっている情報だと思います。
全員に言って回るのもおかしいので、素直に打ち明けられる相手を見つけて下さい。
田舎のことですから、きっと広まります。

 

 

本当に好意的な所だと、移住者の声を聞く会などを開いていたりするようです。
分からないから教えて欲しいと、相手はこうも率直に伝えてくれています。
干渉しない、詮索しないが普通の枠から、片足出すだけできっとだいぶ暮らしやすくなります。

 

 

 

…とはいえ、タイミングも大切です。
好意が去る前にアクションを起こすことを忘れずに。

起業したい女性が集まる会なるものに行ってきたよ

田舎でひっそりアニメーターやってる人の日々を綴るだけのブログ

 

■起業したい女性達の交流会がありました

 2017年2月4日(土)

市の開催する女性のための企業セミナー参加者意見交流会を覗いてきました。
といっても参加者としてではなく、会場の様子などを傍観させて頂きました。

本記事では、交流を通して得た発見を、自分なりにおさらいしていこうと思います。

アニメーターという特殊な生業から見た極論も含まれますのでご了承ください。


■起業したいとはいっても…
起業というと大がかりに思えますが、要は好きなことで収入を安定させることを目指す方々の集まりのよう。

将来的な独立を考える人もいれば、既に経営者で事業を拡大したいなんて方も。
副業のまま続けるかどうかで迷う人など様々でした。

過去に行われたセミナーの中では、夢の実現のためにどのようなアクションを起こしていくかを具体的に考え、発表し合ったようです。
今回は、その発表からしばらく(2ヶ月位?)してどのように実行に移していっているかを確かめ、それに伴い新たに浮上してきた疑問点を解消するために開かれたようです。

前回のおさらい→相談の流れのおかげで、皆さんがどのような野望を抱いているのかを知ることができ、初めて居合わせた私でも有意義に聴衆できました。

参加者は、すでに事業者である先輩達のアドバイスや、同じ起業を志す仲間の意見を通して、自分なりの起業スタイルや課題を明確にしてゆきます。

昨年開かれたセミナーで見聞きしたことや、自分なりに消化したことを再度見つめ直す機会にもなったのではないでしょうか。

 

■目標とハードル
好きなこと、やりたいことを収入源にする。
そのためのハードルは、自分が置かれている状況や生活環境によって様々だと思います。

アニメーターである私にとって一番のハードルとなったのは、安定した仕事があるかという部分です。
これは、独立して2年ほど経った現段階でも解決はしていません。

・最低限はあるが、約束されているものではない。
・タイミングによって仕事があるかどうか分からない。
出来高収入なので、仕事が入らないことには毎月入るようなお金はない。
というところです。製造業なら皆さんまぁまぁこんな感じでしょうか。

嬉しいことに、取引先での私の仕事ぶりは概ね好評価です。
多忙な業界ゆえ、仕事がないという事態には陥りにくいのですが、私の場合、作画詰めにしてしまっては独立した意味がなくなってしまいます。
作画業務に頼らず、様々な活動によって生活する、アニメだけの生涯にしない。
これを守るために、受注する仕事量を調整しています。

作画とその他を半々でやっていく。(現在7:3もいいとこ)
これを目標に、作画以外の部分を今以上に拡大していきたいと思っています。


□自分の生活を見直す(交流会とは関わりが浅い項目です。読み飛ばして下さい。)
恐ろしいほどに倹約家な生活が幸いして、少ない収入でもなんとか死なずに暮らしていけています。
今日お会いした方々の半数近くが、「確かな収入源にしていくには」という自己の課題を発表されました。

そんな方々からすれば、恐らく私の収入は決して確かな数字とは言えないものですが、それでも様々な条件を揃えることで生活できています。


1)ルームシェアすること
家賃が浮きます。
光熱費も浮きます。
ストレスなく暮らせる相手が大事。

2)家賃が安いこと
そもそもの家賃を安くあげること。
居抜き物件万歳。出会いが命。

3)自炊すること
貧乏生活とか特集見てるとなんでみんな菓子パンとかカップ麺食べてるの?
むしろそんなものは高級品という考えで。
ちゃんと米を炊いて、野菜切って、肉も食う。それでも菓子パンより安いんだから。

…ここで困るのが付き合いの食事。
大抵が外で食べることになるのでひと月の食費を考えるとかなり痛い。
断てるものでもないので、出会いは投資と思って貯蓄から出す。(涙)


この程度の節約は、今までそこまでカリカリせずにやってきたことなので、切り詰めてるとかいう意識はほとんどありません。
「節約」という意識も低く、日常です。

ただし金銭感覚の異なる人付き合いには注意、といいたいところですが、大体の人がそれに該当するので、折り合いが難しいのも事実です。
自分よりケチな人間なんてなかなか出会ったことないかもw


当たり前すぎて忘れてたけど、

4)子どもは作らないこと
必要なお金がだいぶ変わってくる。
私の場合、現段階で欲しいと思っていないので制約ですらない。

5)物価の安い田舎に住むこと
主に食費が変わってくると思う。
家賃を安く、と考えるとほぼ必須、というか共通項目?
インドア派、ネットが使えるならきっとどこでもやっていける。


上記の生活で一人あたり5万円以内で暮らせています。
10万円稼げたら、なんと半額も貯金できてしまいます。
会社勤務者から見れば、苦笑する額かもしれませんね。

ギリギリ生活しながら微々たる貯金はできていますが、大きな挑戦に対する投資にはまだまだ不十分です。
作画以外で分母の底上げをするのが当面の目標です。


目標実現のために (交流会とは関わりが浅い項目です。読み飛ばして下さい。)
アニメーター業の一本で生涯を終えたくないので、色々な事に手を出しています。
そもそも独立した動機でもあるのですが、作画業務で手一杯にせず絵にまつわる事を主軸に収入源を模索しています。

不思議なことに、一日あたりの労働時間(作画時間)が独立前から激減していることに対して、収入はあまり変動がありません。
・会社に居た頃ー[定時]10時~19時の最低9時間労働。手持ちの仕事の有無により残業。…私は極力回避していました。
・現在ー10時半~16時の5時間半。締め切りの状況次第でこれより早く切り上げることもありますが、遅くなることはありません。

賃金の差が無い主な要因としては、
・スタジオに居た頃に実力に見合ったポストに就けなかった。(会社の基準値が高い)
・教育者が修行論的。(苦しい仕事は買ってでもしろ←単価は変わりません)
…というところかと思っています。
あのまま会社に居たらどうなってたの…と時々思う事もあります。

そんなこんなで生まれた時間を活用して、今は副業(と呼ぶにはまだまだですが)に充てています。
それは、イラスト制作であったり、簡単なチラシデザインであったり、ロゴデザインであったり。
きちんと学んできたものは無く、それらしいソフトを使うわけどもなく。
どれも素人に毛が生えたようなレベルかもしれませんが、それでも少しずつ依頼を貰えるよになってきました。

…言ってしまえば作画の仕事も、会社で学んだ事以上の依頼がある今、素人レベルかもしれません。
それでも取引先に縁を切られず、再度ご依頼を頂けるのは、拙いながらに多少なりとも期待を頂いているからなのでしょうか。

基本的な絵の描き方や発想する脳を鍛えるトレーニングなど、学生時代に培われたものを糧にして何とかなってる気がします。


■状況把握
●副業()の中でも、比較的見込みのあるものは以下の通り。

・デッサン教室講師(カルチャースクール)
利点:一度にまとまった収入
課題:周知不足、生徒が一人でも欠けたら継続不可
希望:受講者にデッサンの楽しみを分かってもらえてきた

・ハンドメイド品委託販売
利点:販売はショップに任せておける、不特定多数に購入してもらえる
課題:周知不足、納品数が少ない 
希望:納品した月は必ず一定数売り上げがある


●内々で伝わって、知り合いのみからたまーに注文をうけるのは以下。

・チラシデザイン
ロゴマーク制作
あまり大々的にやりたくないと思っている。現状維持。
相場を探りあぐねている。
できれば将来的にイラストの注文が欲しいと思っている。

 

■苦手分野の補完
副収入源を軌道に乗せるために必要なことの大半は、知恵を絞らずとも日頃から見えていることばかり。
共通して周知不足です。このブログの更新頻度を見て分かるように、私は自ら発信することが苦手なのです。

活動を報告する、作ったものを発表する。
後にも先にも、どこで何をしているか知って貰わない事には得るものはない。
知られていないことは、世間では無いのと等しい。

分かってるならやればいいじゃない、と言われてしまえばそれまでですが、作り手の中には「PRは誰かがやってくれて、作ってるだけで生活したい」という考えの人は一定数いるようです。


今回の交流会参加者を見ていると、

・クリエイター(製造者)
・プロモーター(発信者)
・コネクター(連結者)
の3種類の人材に大別できました。

その中で、あるクリエイターの発言から「PRすればいいのは分かっている、でもできない」という話題になりました。
別のクリエイターはうんうんと頷いている横で、プロモーターは「なんで?やればいいじゃない」といったリアクション。

恐らく、発信する側のプロモーターの立場がクリエイティブな面で悩みを持ったとき、作り手からは「やればいいじゃない」になるんじゃないでしょうか?

例えば、麻織物の産業を若い世代にPRしたい。
産業としては既に廃れ気味で、若者に喜ばれる新商品の開発が案として出たとします。
人手もなく、予算が限られている場合、プロモーターはどのように商品を開発するでしょうか。


■覚悟のかたち
一人の事業者になる。
それには、各々が苦手とする分野を得意とする人材に巡り会う事も大切なのかもしれません。
クリエイティブとプロモーションの両方を得意とする人も存在しますが、苦手な場合は無理に頑張らなくてもいいのではと。

数多くの人材との交流があり、必要としている人同士を結びつけるセクションも、既に注目を集めつつあります。(交流会参加者のコネクターは婚活に限ったものに聞こえましたが)

「人と人を繋ぐ」というと漠然として聞こえますが、今回のケースだとクリエイターとプロモーターを繋ぐコネクター(によるコミュニティ)と置き換えればスッキリ見えてきます。
クリエイターのPRベタのように、一定数の共通した悩みや課題が見えれば、それらを解消するビジネスの誕生は目前ではないでしょうか。

こだわりの製作物を上手くPRしてくれる人を探すクリエイター。
共通の価値観を広めたいプロモーター。
人と人との繋がりを築くことに意義を感じるコネクター
少人数での集まりの中で、偶然にもこの三者が揃ったことに、何か深い意味を感じました。

本気でこの道と志すのであれば、人の手を借りることも覚悟のひとつかと思います。
勿論、自力でなにもかもやり遂げるのも覚悟。
前者は予算が必要だろうし、後者は孤独と戦う精神力が必要でしょう。

どちらも無理~となってしまう場合は、まだまだ生業とする覚悟が足りない証拠かもしれません。